人を畏〔おそ〕れない。
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上杉 謙信
■上杉 謙信(うえすぎ けんしん)
1530年2月18日-1578年4月19日
戦国時代の武将。
永禄4年(1561)上杉憲政から
譲られて関東管領となり、
上杉氏を名のった。
北条氏康と争っての小田原攻め、
武田信玄との川中島の戦いなどを
経て織田信長と対立したが、
業半ばで病死。
上杉謙信公家訓16ヶ条「宝在心」
上杉謙信が自分のぶれない軸として、
子孫や家臣、後世に残したとされる
上杉家 家訓十六カ条。
■家訓とは、
家を守り立て存続させていくために
家長が一族や子孫のために記したもの。
鎌倉時代以後、武家にこうした
家訓を残す習慣が生れる。
■「宝在心」
宝や幸福は外にあるのではなく、
心の中にあるという意味。
一、心に物なき時は心広く
体 泰(やすらか)なり
(物欲がなければ、
心はゆったりとし、
体はさわやかである)
一、心に我儘なき時は愛敬失わず
(気ままな振舞いがなければ、
愛嬌を失わない)
一、心に欲なき時は義理を行う
(無欲であれば、正しい行い、
良識な判断ができる)
一、心に私なき時は疑うことなし
(私心がなければ他人を疑うことがない)
一、心に驕りなき時は人を教う
(驕り高ぶる心がなければ、
はじめて人を諭し教えられる)
一、心に誤りなき時は人を畏れず
(心にやましい事がなければ、
人を畏〔おそ〕れない)
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一、心に邪見なき時は人を育つる
(間違った見方がなければ、
人が従ってくる)
一、心に貪りなき時は人に
諂(へつら)うことなし
(貪欲な気持ちがなければ、
おべっかを使う必要がない)
一、心に怒りなき時は言葉和らかなり
(おだやかな心である時は、
言葉遣いもやわらかである)
一、心に堪忍ある時は事を調う
(忍耐すれば何事も成就する)
一、心に曇りなき時は心静かなり
(心がすがすがしい時は、
人に対しても穏やかである)
一、心に勇みある時は悔やむことなし
(勇気を持っておこなえば、
悔やむことはない)
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一、心賤しからざる時は願い好まず
(心が豊かであれば、
無理な願い事をしない)
一、心に孝行ある時は忠節厚し
(孝行の心があれば忠節心が深い)
一、心に自慢なき時は人の善を知り
(うぬぼれない時は、
人の長所や良さがわかる)
一、心に迷いなき時は人を咎めず
(しっかりした信念があれば、
人を咎めだてしない)
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